2011年3月14日月曜日

音楽しかない人間から皆様へ。

僕は人間です
不器用で弱い人間です

だから
音楽に関わる人間として
何が出来るか


それを一回取っ払って


僕はひとりの人間として
何が出来るか
強く考えました



でも

いくら考えても
僕には音楽しかなかったのです

だから
音楽しかない僕に何ができるか
強く考えました



正直
テレビから流れてきた映像をリアルタイムで見て
僕は脅えていました

一瞬で信じられない数の命が失われた様を見て
僕は混乱したのです

これが現実なのか
一体何が起きているのか

全く整理できず
心の着地地点を見つけることが出来ないでいました

東京では
当たり前の日常が流れ始めようとしていることへの
違和感も感じました
それも大切なことだと理解しながらも


僕が出来ること
ここで出来ること

それを考えると
やはり音楽しかない
食料や
支援物資を直接届けることに比べたら
間接的で微力かもしれないけど
僕が知っている
音楽の力を証明すべき時だと強く思ったのでした


皆さんの見える形になるかわかりませんが
僕は僕の思いつく限りの方法で
被災に遭われた方々や地域を
支援します



強要はしません
でも
眠る前に祈るだけでもいい
今すぐじゃなくてもいい
少しでもできることから行動しませんか

そういった気持ちが
弱くて固まっていた僕のような人間の背中を
ぐっと押すことになるかもしれません

僕は行動します




音楽で人に愛を





山口一郎



2011年3月3日木曜日

シングルの意味

昨今

シングルという形態ははっきり言って

アルバムを売る為のプロモーションツール化しています


シングルを発売する意味が

変化してきているのが事実です


しかし

曲としての作品性は絶対に必要だとしても

それ以外にシングルという形態の中で何か表現出来ないかと

考え続けてきました


ただ消費されるだけでなく

時代に合ったシングルの新しい活用方法を

自分達の中だけでも

見い出して行きたいと思ったからです



今回

ちょっとですが実験的な事をしました




僕らサカナクションは

20101023日にUSTREAMを使い

VISUAL MUSIC SESSION」という名目で生中継を行いました

島田大介監督が制作した映像に

初見で僕らサカナクションがリアルタイムで楽曲を作り出していくという

実験的な公開レコーディングを行ったのです

その際、大変ありがたいことに

合計で36000人ほどの方々にその生中継を観てもらえました


その時に生み出された曲が

3月16日に発売されますNEWシングル『ルーキー』のカップリング曲

montage」として収録されます


そしてその2時間にも及ぶ生中継のアーカイブを

近日公開することにしました

CDの音源とその過程を聴き比べて

どのように音楽が生み出されていくのか

是非体感してもらいたかったからです


音楽が生み出される過程というのは

なかなか外に露出されません

しかしそういった音楽が生まれる泥臭い瞬間や

人間らしい点を知ってもらうことで

音楽の奥行きを感じてもらえるのではないかと

僕らは考えているのです


シングル『ルーキー』には

完成した「montage」のMVもCD-EXTRAで収録されます

もう一曲のカップリング曲「スローモーション」も

前回のシングル「アイデンティティ」のカップリング曲として収録した

ホーリーダンス」の時と同様

完璧に力を注いだサカナクションらしい一曲です

表題曲「ルーキー」を含めたこの三曲で

今のサカナクションのシングルとして表現できたと思います



「ルーキー」は俯瞰

「スローモーション」は原点

montage」は思想



サカナクションのヒストリーに付箋を貼る行為が

僕らにとってのシングルの意味として

今回リリースします


音楽を愛する皆さんに

聴いて、観てもらいたいのです


宜しくお願い致します



一路









サカナクションNEW SINGLE

『ルーキー』

3/16 RELEASE



初回限定盤 VICL-36623 ¥1000(税込) 通常盤 VICL-36624 ¥1000(税込)


【初回限定盤仕様】 ・「SAKANAQUARIUM 2011ZEPP ALIVE」ツアーチケット

先行抽選予約シリアルナンバー封入

【受付期間】3/16(水)12:00~3/28(月)23:59 ・CD-EXTRA仕様:M-3「Montage」Music Video収録

1,ルーキー 2,スローモーション 3,montage




2011年3月2日水曜日

頭上の月


月を無視して家に帰る

僕はセンチメンタルな振りをするのをやめて

僕は悲しみの根拠を通り越して

月を無視して家に帰る


それでも尚

心が何かを言いたそうにしてきたら

それこそ

本当に

言い放とうじゃないか




一路